５００のおはなし。

むかしむかし、あるところに、
５００のスプーンと、５００のフォークと、４９９のナイフがおりました。

彼らは仲良く暮らしていましたが、残念なことに、
ナイフだけ、ほかの仲間と数が合いません。
そこで、みんなそろって、仲間探しの旅に出かけることにしました。

どんどん道を進んでいくと、大きな家がありました。
窓から中をのぞいてみると、太った男が、分厚いステーキを皿にのせ、
銀色のナイフとフォークで切り分けて食べようとしているところでした。

スプーンとフォークとナイフたちは叫びました。
「まて！それは、ぼくたちの仲間だ！」
５００のスプーンと５００のフォークは、
太った男めがけて、家の中へと飛びこみました。
(ナイフたちだけは、ケガをさせてはいけないと思い、じっとしていました)

太った男は、悲鳴をあげて逃げ出しました。
男が使っていたフォークとナイフは、喜んで、スプーンたちの仲間になりました。

さあ、これでナイフも５００本になりました。
ナイフたちは大喜びです。

ところが、今度はフォークが５０１本になってしまいました。
さて、どうしたものでしょう。
スプーンとフォークとナイフたちは、困ったなあ、どうしようと
首をひねりながらも、旅を続けることにしました。

また、どんどん道を進んでいくと、森の中に、小さな家がみつかりました。
窓から中をのぞいてみると、おばあさんが、なけなしの野菜を使って、
スープとサラダを作って食べようとしているところでした。
ところが、貧しいおばあさんはスプーンしか持っていなかったので、
サラダを食べるのにとても苦労していました。

それを見て、フォークたちの一本が、
「ぼくは、ここに残るよ」と、言い出しました。
おばあさんも、サラダがパクパク食べられるようになって大喜びです。

これで、スプーンも５００、フォークも５００、ナイフも５００になりました。
数がそろって嬉しい彼らは、それからも、楽しく旅を続けましたとさ。

おしまい。

(2006.10.21)

えー…公共図書館は、普通、お子様を重視しています。
本を読む楽しさを知るのは、早すぎるなんてことは決してありませんから。

「おたのしみ会」で、子供たちに絵本や紙芝居を読むってのは基本ですが、『ストーリーテリング』、何も見ないで物語を語るというアレも、司書という立場上私もタシナまざるを得なくなってきました(^^;)

ヘタレ司書なのでレパートリーはまだ少しだけ。
ですが、実は、そのほかにもうひとつだけ、ムスコにせがまれ酔った勢いでデッチ上げた(オイ)、オリジナルミニすばなしがありましてそれがコレ↑。一応、ウチのチビには受けました♪
「まて！それは、」という所は特に、思い切り気張って読んでください(笑)

…勿論、シゴトで語ったことなど一度もありません。
永久にない可能性が高いです。
門外不出の作品？ですが…なんとなく、公開してみたいような気もしてきましたので、「なんでもありページ」を作ったついでに、ここに置いておきます。

最後まで読んでくださった、奇特な方には…

あなたのキッチンに幸多かれと祈らせて頂きます(*^^*)
ありがとうございました。

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