２人のホレーショ
〜「艦長ホレーショ」と「美女ありき」

「艦長ホレーショ」

いわゆる名画の域には達してないかもしれませんが、帆船小説ファンなら必見でありましょう。
言わずと知れた…といっても、ホレーショだけではネルソンと思う人もいそうです。困ったもんですが、これはホレーショ・ホーンブロワーをグレゴリー・ペック、レディ・バーバラをヴァージニア・メイヨが演じたもので、シリーズの白眉、「パナマの死闘」から「勇者の帰還」までをさっぱり一本の映画にまとめたものです。映画の中では、陰で高級士官たちが、艦長の心中や恋愛問題の行方について、親愛の情を込めてさまざまな賭けを行う描写があり、なるほどやっぱり「名艦長」はアイドルだ！と、納得したものでした(ちょっとアメリカ風な気もしますが)。私個人としては、長身で、どこか不器用そうなあたたかみをたたえた二枚目ペックは、文句無しにハマリ役だと思うのですが、某友人は「イメージ違う！」と文句たれておりましたので、はてさて…？

ついに日本版DVDも発売されました。テクニカラーの帆船と恋！
時代も違うし「マスター・アンド・コマンダー」や英国TVドラマ版「ホーンブロワー」のようなリアリティへのこだわりは不足しているかもしれませんが、ゴージャスで楽しい一作です！
…字幕翻訳はちょっとその…あれですけど…。(2007年11月14の日記にも記事あり)

「美女ありき」

もうひとりのホレーショ、ネルソンとエマ・ハミルトンの物語。というか、エマ寄りメロドラマなんですが、これも帆船ファンなら見といてソンはないです。ネルソンをローレンス・オリヴィエ、エマを若き日のヴィヴィアン・リーという黄金コンビによるもので、ヴィヴィアン・リーがもうとんでもなく麗しい。あの細腰は、はかない運命の女性にピッタリですね。肖像画等を見るときゃしゃで細面のネルソンについては、オリヴィエのゴツい顎はミスマッチなような気もしますが、英国屈指の名優にあんましモンクも言えないかな(^^;)

いつのまにか、えらく色んな版でDVDが発売されているようです。とりあえずお試しのチャンスかも。

艦長ホレーショ “Captain Horatio Hornblower” ('51)/ワーナー・ブラザース/カラー/監督ラオール・ウォルシュ/音楽ロバート・ファーノン/出演グレゴリー・ペック、ヴァージニア・メイヨ、ジェームズ・ロバートスン・ジャスティス、ロバート・ビーティ他

美女ありき “Lady Hamilton” ('41)/ユナイテッド゜・アーティスツ/白黒/監督アリグザンダー・コルダ/音楽ミクロス・ローザ/出演ヴィヴィアン・リー、ローレンス・オリヴィエ、アラン・モーブレー、グラディス・クーパー、ヘンリー・ウィルコクスン他

　　　

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